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障害年金とは、国民年金や厚生年金に加入されている方で一般的な仕事(いわゆる1日8時間のフルタイム勤務)をすることが難しい場合や、普通の日常生活(朝起きてから夜寝るまで普段通りの1日過ごすこと)を送ることが困難な身体の状態にある場合に、国から支給される公的年金の一つです。

所定の条件を満たしていれば支給される可能性は誰にでもあるのですが、他の公的年金と同様に自分から申請をしないと受け取ることができないという特徴があります。

しかしながら、障害年金は専用の申請用紙を使わなければならず、また作成・整備する書類の内容によっては支給金額が少なかったり、そもそも支給されないといったケースもあります。

とちぎ障害年金相談センターでは、障害年金の基本的なご相談から具体的な申請に関することまで親身になって対応させて頂いております。

具体的に申請を考えているが何から手をつけて良いかわからないといった場合はもちろん、気になる病名や症状をお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

障害年金とは

「年金」という言葉から一般の方がイメージされるのは、ほとんどの方が老後に受け取るものではないでしょうか?

現在の日本の年金制度の中で、みなさんが受け取れる可能性があるものは大きく分けて次の3種類になります。

老後に受け取る「老齢年金」、配偶者の死亡などにより受け取る「遺族年金」、病気や事故などで一定の障害が残った場合に受け取る「障害年金」

この中で障害年金という制度は、普段聞きなれないこともあり、ご自身やご家族の方が障害を抱えることになって初めて知るといったケースがほとんどだと思います。障害者手帳やその他の障害者のための福祉措置と思い違いをされている方も多くいますが、正式には公的年金の一つです。

現在日本では、原則として20歳から年金保険料を納め始め、65歳から老齢年金という年金を受給することになります。少し大雑把な表現になってしましますが、障害年金は20歳から65歳までの間に一定の要件を満たした場合に受け取ることができる、いわば「つなぎの年金」ともいえる制度です。

ただし、障害年金は障害があれば必ず受け取れるものではなく、年金保険料をきちんと納めるなど一定の要件を満たす必要があります。また、受け取れる金額も月額5万円程度から20万円以上と個人差があるも特徴です。

少し専門的なことになってしまいますが、障害年金を受け取るためには「認定基準」や「認定要領」という、社労士など年金の専門家や受付窓口の年金事務所ですらその全容を理解するには複雑かつ高度な解釈力を必要とするハードルが立ちはだかります。このハードルを越えるには、数か月間にも及ぶ大変厳しい審査に通らなければなりません。

とちぎ障害年金相談センターでは、このハードルを一緒に乗り越える手段を提供するため、無料の相談会を随時実施しております。是非お気軽にご相談ください。

障害年金でもらえる金額

 

障害年金の具体的な金額は、認定される等級(1級~3級)初診日に加入していた制度(国民年金・厚生年金・共済年金)、一定要件を満たす配偶者や子の有無によって変わってきます。

当センターを通じて、実際に障害年金を受給されている方のおおよその目安の金額として、初診日が国民年金の方は年間約79万円から100万円、厚生年金・共済年金の方は年間約60万円から180万円程度になっています。

たとえ年間の金額は高額にならなくても、65歳になり老齢年金を受け取れるようになるまでの数年~40年以上の間、もし障害年金を継続して受けとることができるようになれば、人によっては3500万円近くの金額を受け取れることになります。

また、過去に障害年金という制度をご存知でなく最近になって障害年金の請求手続きをする場合には、諸条件を満たせば初回支給時に約400万円から1000万円近くの過去分の障害年金が一時支給されるケースもあります。

障害基礎年金(令和6年度(2024年度)現在)

障害基礎年金は、全員共通の定額制になります。1級の金額は2級の1.25倍となっています。

1級  816,000円×1.25=1,020,000円(+子供がある場合は更に加算額)
2級  816,000円(+子供がある場合は更に加算額)

子供の加算額

1人目・2人目の子 (1人につき) 234,800円
3人目以降の子 (1人につき) 78,300円

※子とは次の者に限ります。
○18歳年度末(高校を卒業する年齢)までの子
○障害等級1級または2級の障害状態にある20歳未満の子

障害厚生年金 (令和6年度(2024年度)現在)

障害厚生年金は、各人別の報酬比例制になります。厚生年金に加入していた期間の長短、給与の額(払っていた保険料の額)などで異なります。

2級の障害厚生年金の報酬比例年金の計算は、老齢厚生年金と同じ計算をします。

1級の障害厚生年金の報酬比例年金の額は、2級の1.25倍です。

なお、若くして障害を負ってしまい厚生年金の加入期間が短い方は年金額が低くなってしまうので、加入月数300月未満のときは、300月として計算します。

3級の場合には、年金額が低くなりすぎないように最低保障額が設けられています。

また、3級よりもさらに軽い症状の場合でも、症状固定等一定の条件に該当するときは障害手当金という一時金制度が設けられています。

1級  報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級(+配偶者がある場合は更に加算額)
2級  報酬比例の年金額+障害基礎年金2級(+配偶者がある場合は更に加算額)
3級  報酬比例の年金額  (最低保障額 612,000円)
障害手当金
(一時金)
 報酬比例の年金額×2年分 (最低保障額 1,224,000円)
配偶者の加算額  234,800円

障害年金は非課税ですので、老齢年金のように所得税や住民税を源泉控除されることはありません。障害年金と老齢年金のどちらかを選ぶ必要が生じた場合は、そうした点も考慮に入れると良いかと思います。

障害年金をもらうための条件

障害年金をもらうためには、いくつかの要件を満たさなければなりません。そのうち最も重要な三要件について説明します。

(1)初診日要件

国民年金、厚生年金、共済年金へ加入していた期間中に、その障害の原因となった病気やケガを医師や歯科医師に診察してもらっていることが必要です。

この診察を初めて受けた日を「初診日」といいます。ケースによっては健康診断で異常がみつかった日や、誤診を受けた日が初診日とみなされることもありますのでご注意ください。

なお、未成年の頃からの傷病により障害の状態になった場合や、国民年金に加入したことのある人で、60歳から64歳までの間に初診日のある傷病により障害の状態になった場合は、障害基礎年金の対象となります。

この「初診日」がいつかによって、次にご説明する保険料納付要件、もらえる年金制度(障害基礎年金または障害厚生年金)が決まります。こうしたことから、障害年金の申請を検討する際には、的確に初診日を特定することが大変重要になります。

(2)保険料納付要件

この保険料納付要件が満たされないと、初診日が特定されている病気やケガで生涯寝たきり状態になったとしても、障害年金はもらえないので大変重要な要件です。

初診日の前日に、その初診日のある月の、前々月までの期間の3分の2以上が、次のいずれかの条件に当てはまっている必要があります。

  • 保険料を納めた期間(会社員や公務員の配偶者だった期間も含む)
  • 保険料を免除されていた期間
  • 学生納付特例又は若年者納付猶予の対象期間

簡単にいうと、初診日までの被保険者であった期間のうち、3分の1を超える期間の保険料が違法に滞納していなければ大丈夫です。
実際に保険料を納めていた期間だけでなく、正式に保険料が免除されていた期間も、納めていたものとして扱われます。

上記の要件には当てはまらなくても、令和8年3月31日までに初診日がある場合は、初診日の前日に、その前々月までの1年間に保険料の違法な滞納がなければ要件を満たすことができます。

なお、被保険者でない20歳前の傷病により障害の状態になった方については、保険料納付要件は問われません。

*20歳過ぎてからの学生時代の保険料の滞納というケースがとても多いです。学生だからと保険料を滞納していると、仮に卒業してすぐ大きな事故で重い障害を負っても保険料納付要件を満たすことができず、障害年金を受け取ることができなくなってしまいます。この場合忘れずに「保険料の免除申請」をするようにしましょう。

(3)障害認定日要件

障害年金をもらえるかどうかは、障害認定日に一定以上の障害状態にあるかどうかで判断されます。

障害認定日とは、初診日から1年6か月が経過した日、または1年6か月が経過する前に症状が固定し、それ以上治療の効果が期待できない状態となった日のことです。

ただし例外として、下記の状態になった場合も障害認定日として扱われます。

  • 人工透析をしている場合・・・人工透析開始から3ヶ月を経過した日
  • 心臓ペースメーカーや人工弁を装着した場合・・・装着した日
  • 人工肛門や人工膀胱、人工関節を造設した場合・・・造設した日
  • 手足の切断の場合・・・切断された日
  • 脳梗塞、脳出血などによる肢体の障害の場合・・・初診日から6ヶ月以上経過し、医師が症状固定と判断した日

この障害認定日に一定の障害状態にあると認められると、その翌日から年金が支給されます。これを、障害認定日請求といい、もし請求が遅れても所定の要件を満たしていれば最大5年遡って支給されます。

障害認定日には障害等級に該当しなかった場合でも、65歳の誕生日の前々日までに症状が悪化して該当すれば、年金を受け取ることができるようになります。 これを、事後重症請求といい、認められると請求した翌月分から年金が支払われます。

障害年金の種類

日本の公的年金制度は2階建ての制度となっています。1階部分が「基礎年金(国民年金)」2階部分が「厚生年金」となっています。

障害年金も公的年金制度の一つであるため、障害基礎年金・障害厚生年金の2種類に分かれています。

具体的に申請をした場合、どの種類の年金に該当するのかは初診日の時点で加入していた制度によって決まります。例えば、初診日の時点で自営業や専業主婦、その他厚生年金や共済年金に加入していない職業の場合、国民年金加入として障害基礎年金のみを受け取ることになります。

初診日の時点で、会社員や公務員などの職業で厚生年金や共済組合に加入していた場合、同時に国民年金にも加入していることになりますので、1級または2級に認定された場合、障害基礎年金と合わせて障害厚生年金も同時に受け取ることができます。

※初診日とは、障害年金を申請する病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診察を受けた日のことを指します。実際には必ずしも申請する病気やケガではなく、医学的に関連性のある症状やケガなどで診察を受けた日になるケースも多くあります。

障害基礎年金

障害基礎年金は、2階建てになっている年金の1階部分に該当します。
日本に住んでいる20歳から60歳までの人は、すべて国民年金に加入しているので、全ての人が障害基礎年金の対象となります。

自営業、専業主婦、学生など国民年金に加入中であった期間に初診日があれば対象となります。

障害年金は症状の重さに応じて障害等級というランク付けがされていて、障害基礎年金の場合、1級と2級の2段階に分かれています。一定の要件を満たす子がいるときには、加給年金という扶養手当のような加算金も支給されます。

障害厚生年金・障害手当金

障害厚生年金は、2階建てになっている年金の2階部分です。
会社員、厚生年金加入の自営業者など、厚生年金に加入中であった期間に初診日があれば対象となります。

障害厚生年金の場合も、障害等級というランク付けがされていて1級、2級、3級の3段階に分かれています。障害基礎年金の場合と比べ、支給される範囲が広くなっているのがわかります。
障害等級が1級または2級に該当する場合、障害基礎年金も合わせて支給され、さらに一定の要件を満たす配偶者がいるときには、加給年金という扶養手当のような加算金も支給されます。3級に該当する場合には障害厚生年金のみが支給されます。

また、1級~3級の障害等級に該当しなかった場合でも、一時金である障害手当金が支給されるケースもあります。一時金というのは、年金のように何回も支給されるのではなく、初回の1回限りしか支払われないものをいいます。
障害手当金は、障害厚生年金にしかない特別な制度ともいえます。

障害共済年金・障害一時金

平成27年10月1日から被用者年金制度一元化という年金制度の大幅な改正が行われたため、現在こちらの制度は障害厚生年金に統合されています。

経過措置として残されているので、参考までにどのような制度であったのか少し触れておきます。

障害共済年金は、2階建てになっている年金の2階部分です。
公務員などが加入する、共済組合の組合員であった期間中に初診日があれば対象となります。

障害厚生年金と基本的な仕組みは同じですが、2階部分に職域年金相当部分がさらに加算されるのが大きな特徴です。
また障害共済年金は、在職中は支給停止となり、1階部分の障害基礎年金のみが支給されます

このように一口に障害年金と言っても、障害の原因となった病気やケガが発生した時点でどの年金制度に加入していたかによって、請求先や申請できる年金の種類も変わってきます。

ご不明な点がございましたら、当センターまでお気軽にご相談ください。

障害年金の対象となる傷病

障害という言葉のイメージから、手足などの肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見からわかる障害のイメージを持たれがちですが、現実には様々な病気やケガが障害年金の対象となります。

以下に障害年金の対象となる病気やケガの一例を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、実際には多くの病気やケガが対象になります。

ただし、症状としては重篤でも、傷病名によっては原則として対象とならない場合もあります。もしも、気になる症状や病名をお持ちの場合には、当センターにお気軽にお問合せください。

目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変性症、 両人工的無水晶体眼、眼球振盪症 など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴 など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、 脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など
(神経症は原則として対象とならないが、精神病の病態を示しているものについては、うつ病等に準じて取り扱う)

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症 など

その他

悪性新生物(ガン)、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病(強皮症、パーキンソン症候群)、その他難病など

複数の傷病を併発している場合など、実際にはに様々な症状があります。 ご自身で判断できない場合や主治医の判断がつかない場合には、早めに障害年金を専門に扱う社労士等の専門家へのご相談をお勧めします。

当センターは、障害年金を専門に扱う社労士の全国組織に加入しており、様々な事例を共有しているため、複雑な案件を判断する際の一助になれるケースもございます。どうぞお気軽にお問合せください。

障害年金で必要な書類

障害年金の請求に必要な主な書類は以下の4つになります。
(1)診断書 
(2)病歴・就労状況等申立書 
(3)受診状況等証明書 
(4)障害年金年金裁定請求書

(1)診断書

障害年金の診断書は、病気やケガによる障害の内容によって以下の8種類に分かれています。

①眼の障害用(様式120号の1)

②聴覚、鼻腔機能、平衡機能・そしゃく・嚥下機能、言語機能の障害用(様式120号の2)

③肢体の障害用(様式120号の3)

④精神の障害用(様式120号の4)

⑤呼吸器疾患の障害用(様式120号の5)

⑥循環器疾患の障害用(様式120号の6-1)

⑦腎疾患・肝疾患・腎臓病の障害用(様式120号の6-2)

⑧血液・造血器、その他の障害用(様式120号の7)

通常は1種類の診断書でいいのですが、いろいろな病気やケガを併発している場合は2種類・3種類の診断書を作成する必要がでてきます。

診断書の内容としては、治療経過・各種検査データ・臨床所見などが中心ですが、その他に、日常生活動作・生活能力・一般状態・労働能力などの、本人でなければ把握できない項目も含まれています。

診断書は医師にしか作成することができませんが、日常生活の様子などは本人に確認しなければ書くことができません。そのため、主治医とのコミュニケーションを密に行い、普段の生活の状況をきちんと伝えることが重要です。

障害年金の受給可否の大部分は診断書に影響されます。よくあるケースですが、診断書の作成は医師に依頼しているため、大丈夫だと思い込んでいらっしゃる方が見受けられます。

実際には、ご自身が日常生活の中で不自由を感じている症状がきちんと反映されていない場合もありますので、内容について不安な点があるときには必ず確認をするようにしましょう。

(2)病歴・就労状況等申立書(病歴状況申立書)

病歴・就労状況等申立書(申立書)は、障害年金の請求を行う方が、自身の抱えている障害の原因となった病気やケガの発生日から初診日までの経過、現在までの受診状況および就労状況等について記載する書類です。

請求者側が自ら作成して申告できる唯一の参考資料であり、自分の日常生活上の具体的な障害状態を自己評価して国に主張できるのは、この申立書以外にないので、可能な限り具体的に、発病から現在までの病状・治療の流れ、日常生活の様子が目に見えるように作成するのがポイントです。

また、文章作成を一生懸命にする必要はありますが、無意味な内容をだらだらと長く書いてもほとんど評価はされません審査上、重要なポイントとなる事項を残さず記入するとともに、診断書、その他資料との整合性にも注意しながら作成する必要があります。たとえば、診断書に記載されていることと矛盾した内容の申立書を書いたとしたら、その内容が疑われてしまいます。あくまでも診断書に記載しきれないことを補完するものであることをしっかりと認識し作成することがポイントになります。

(3)受診状況等証明書

受診状況等証明書は、診断書作成医療機関と初診時の医療機関が異なっている場合に、初診時の医療機関で取得する証明書類で、一般的には「初診日証明」とか「受証」とも言われます。

ただし、医師法によってカルテの保存期間は5年となっていますので、初診時の医療機関が5年以上前だったり、初診の医療機関が廃院していた場合は、受診状況等証明書が取れない場合もあります。その場合は「受診状況等証明書が添付できない理由書」を付けて提出します。

請求者が初診日から継続して同一の医療機関で受診されている場合は、提出された診断書によって初診日における医師の証明が確認できますので必要ありません。

(4)障害年金裁定請求書

障害年金裁定請求書は、請求者の氏名や住所、配偶者や子などのデータ、その他請求にあたっての基本事項を記入する書類で、障害年金の請求は、この障害年金裁定請求書に診断書などの必要な書類を添付して行います。
障害年金裁定請求書は「障害基礎年金」用と「障害厚生年金」用とに分かれます。両者の違いは、障害厚生年金では2級以上の場合配偶者加給年金が支給されますので、配偶者に関する詳しい情報を記載するようになっています。

障害年金認定方法

障害年金の請求書が提出されると、申請者が障害年金を受け取るための「初診日要件」・「保険料納付要件」・「障害状態要件」を満たしているか否かを行政が確認します。

具体的な流れとしては、まず年金事務所(国民年金の場合は市区町村の国民年金課)の受付窓口で提出書類の不備や不足がないかを確認し、年金を受給するために必要な資格があるかどうかを判断します。ただし、書類に不備や不足があれば、受け取り自体をしてもらえないこともあります。また、いったん受け取りをした後も審査の必要上、追加の書類提出を指示されたり、内容の補正を指示されたりする場合もあります。また、提出書類のひとつひとつに有効期間が定められている物もあり、せっかく苦労して揃えた書類の取り直しが必要になってしまうこともあります。その後、国の審査部門で障害の状態を認定医が判断します。

障害を認定するにあたっては、疾病ごとではなく、障害ごとに障害認定基準にあてはめてその等級を決定することになっています。

なお、審査は、診断書などの資料を見て客観的に判断します。

つまり、審査は、診断書や申立書などの書類の内容ですべて判断するので、限られた期間内で症状に見合った的確な書類を作成すること非常に大事になります。

障害年金請求時の注意点

障害年金の請求では、「初診日」に年金制度に加入していたのか、またどの年金制度に加入中であったかを注意しなければなりません。

なぜならば、そもそも初診日に年金制度の未加入であると、請求そのものができないからです。

そしてつぎに、初診日に加入していた年金の種類に注意して下さい。初診日に加入していた年金制度によって、受給できる障害年金の種類も変わってくることがあります。

初診日が国民年金加入中にあった場合は障害基礎年金が受給できます。障害基礎年金は、障害等級1級または2級に該当した場合に受給できます。

それに対して、厚生年金加入中であった場合は障害厚生年金を受給することができます。障害厚生年金は、障害等級1級、2級または3級に該当した場合に受給できます。また年金には該当しなくても、障害手当金という一時金に該当する場合もあります。

また、初診日から1年6ヶ月経った障害認定日に一定の障害状態にある場合は、障害認定日請求をすることができます。この「認定日請求」は、仮に請求が遅れても最大5年間遡って受給することができます。

それに対して、「事後重症」で請求した場合は、請求した時が実質的な認定日となり、それ以降の受給となります。認定日請求とは異なり、過去にさかのぼって年金を受給することができないため、請求手続きに手間取

り書類提出が遅れれば、その分だけ年金額にも影響が出るため注意が必要です。

このように、諸条件次第で受給できる障害年金の種類や金額が変わってきます。ひとつ判断を間違うと、期待した通りの年金額に達することなくそれが一生続く可能性があります。

迷われた場合には、すぐに専門家にご相談されることをお勧めします。

障害年金をもらうためのポイント

障害年金を受け取るためには、単に障害があることを証明するだけで認められるものではなく、その障害が国の定める障害認定基準・障害認定要領の内容に適合していることを証明しなくてはなりません。

障害年金を受け取るためには障害認定を受けることが必要であり、その認定を受けるための最も重要な書類が「診断書」です。

この診断書の記入方法は、障害認定にかかわる大変重要なポイントなので、担当医とよく話し合い、症状を的確に反映し、かつ、適切な表現内容を記入していただくことが大切です。

診断書作成にあたり、よく目にするケースの一例として、次のようなものがあります。①初診日と現在とで病名が違う、②症状が複数の箇所に現れている、③過去の症状でカルテ保存期間を過ぎており、作成ができない 

このような場合には、手続きが困難なために請求手続きを中断したり、請求そのものを諦めてしまったりする方もいらっしゃいます。

しかしながら、状況によっては専門家に相談することによって請求への道が開かれる場合もあります。

当センターでは、診断書のチェックだけではなく、医師にお願いする際の注意点のアドバイスなども行っております。お気軽にご相談下さい。

障害年金申請の流れ

障害年金申請の流れ全体は、おおむね下記のようになります。(当センターをご利用の場合)

診断書の作成状況等にもよりますが、手続き開始から支給決定までおよそ6か月程度かかります。

初診日が複雑な案件であったり、審査の過程で照会事項などがあったりする場合は、更に時間がかかります。

①初診日・病院歴などの確認

②初診日の前々日における年金保険料の納付状況を確認

③初診日の証明書(受診状況等証明書)の作成

④症状・請求方法に応じた障害年金専用の診断書の選定

⑤医師による障害年金診断書の作成

⑥病歴・就労状況等申立書の作成

⑦住民票等の添付書類の整備

⑧障害年金裁定請求書の作成

⑨障害年金申請書類一式を年金事務所等に提出

⑩障害年金の支給または不支給の決定

障害年金の問題点

実際の障害年金の手続きを行うにあたっては、さまざまな疑問や不安の声をお聞きする機会があります。

その「疑問」や「不安」の理由の一つとして、申請される方の日常生活状況の実態と、医学的な見地から作成される診断書の内容とが必ずしも一致するとは限らないということです。

障害年金の申請を検討中の方にとっては心配なことではありますが、このようなことが起きてしまう理由としては下記のようなことが考えられます。

・診断書を作成する医師が、障害年金を申請する方の日常生活の全てを知っているとは限らない

・障害年金を申請する方が、限られた診察時間のなかで日常生活の実態を医師にきちんと伝える正式な術がない(正式なフォームによる文章提出、または口述方法)

・そもそも診断書は、障害年金を申請する側の立場に立って書く必要があるものではない。

こうした様々な問題点を抱えながらも、出来上がった診断書を、何の疑問もなくそのまま提出してしまうことにより、もらえる年金額が予想より少なかったり、年金がもらえなかったりすることもあります。

ただ、反対に医師の立場からすると、これはやむを得ないことであるのも確かです。多忙を極めるなか、一人の患者のためだけに必要以上に自分の時間を投入することはできません。メインの業務でもある診察を行いつつ、限られた時間のなかで記入箇所が多く注意点も多い障害年金専用の特殊な診断書を書かなければならないのです。

障害年金の申請は、申請者と医師との共同作業であるということを常に念頭に置いておく必要があります。

当センターでは、上記のように、年金を申請する方がつらい思いをすることのないよう、また、多忙な医師が適切な時間を投入できるよう双方の立場を理解した独自のノウハウによるサポートをさせて頂いております。 是非お気軽にご相談ください。

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特別障害者手当

特別障害者手当は、精神又は身体に著しい重度の障害があるために、日常生活において常時特別な介護が必要な20歳以上の在宅障害者に支給される手当です。 この特別障害者手当は、障害年金と比べると手続きが簡素化されていますので、申請手続きをすることをオススメしますが、この手当には必要な要件があります。

以下に特別障害者手当の基礎情報について記載します。 ご自身で該当しそうだと思われる方は、お住いの近くの市町村窓口(障害福祉課など)までお問い合わせ下さい。

(1)手当金

月額28,840円(令和6年4月以降)
手当てについては、認定されると申請日の翌月分からの支給となります。
2・5・8・11月に前月分までの手当を支給します。

(2)前提条件

  • 申請日現在、満20歳以上であること
  • 施設に入所していないこと
  • 3か月以上病院等に入院していないこと
  • 毎年の所得が基準以下であること

※詳しい基準については、お住いの近くの市町村窓口(障害福祉課など)にお問い合わせ下さい。

(3)対象者

日常生活において、常時特別の介護を必要とする状態で、下記の基準一覧の障害が2つ以上あるかそれと同等以上の状態の方が対象となります。

  • 身体障害者手帳1・2級程度の異なる障害が重複している方
  • 身体障害者手帳1・2級程度の障害及び重度知的障害(知能指数20以下)が重複している方
  • 精神障害、血液疾患、肝臓疾患、その他疾患により、以下のことがほとんど1人ではできず、日常生活に支障をきたしている方

食事,用便(月経)の始末,衣服の脱着,簡単な買い物,家族との会話,家族以外との会話,戸外での危険から身を守る(交通事故),刃物・火の危険の認知

(4)基準

  1. 両目の視力の和が0.04以下のもの(矯正視力による)
  2. 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
  3. 両上肢の機能に著しい障害を有するもの、又は両上肢のすべての指を欠くもの。もしくは両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
  4. 両下肢の機能に著しい障害を有するもの又は両下肢を足関節以上で欠くもの
  5. 体幹の機能に座っていることができない程度又は立ち上がることができない程度の障害を有するもの
  6. ①~⑤のほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が①~⑤と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの

または精神の障害であって、1~6と同程度以上と認められる程度のもの

(手続)

次の書類を添えて、それぞれのお住まいの市区町村役場窓口(障害福祉課など)へ提出します。

  • 認定請求書
  • 障害の程度について医師の診断書
  • 所得状況届
  • その他必要な書類

受給後は、毎年8月に現況届を提出します。
また、有期認定期間が切れるときは、再度診断書を作成して提出します。

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