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幼少期からコミュニケーション障害に悩み続ける。成人後、広汎性発達障害で障害年金の申請を行い、5年間遡及して障害基礎年金2級に認定されたケース

広汎性発達障害の障害年金(遡及請求)

1.発病からご依頼までの状況

乳児期より音に敏感で人見知りが激しく、言葉は2歳半まであまり話しませんでした。

学生の頃は他人とコミュニケーションを取るのが苦手であったため、部活ではコーチや仲間との接し方に悩んでいました。

中学校のスクールカウンセラーにテストをしてもらった結果、発達障害の可能性があると言われ、医療機関を受診したところ、現在の傷病名、広汎性発達障害につながる「自閉症スペクトラム症」と診断されました。

こだわりが強く興奮すると暴力的にもなっていたため、薬物療法による治療とカウンセリングを継続することになりました。

症状の軽快・悪化を繰り返しながらも何とか学校を卒業し、介護関係施設に就職をしましたが、利用者や同僚とのコミュニケーションをうまくとることが出来ず、度々トラブルになっていたこともあり、就職から1年ほどで退職することになりました。

ご本人の将来を心配していたご家族が障害年金という制度があることを知り、当センターへ来所され、面談の実施を経て障害年金の手続きをご依頼する運びとなりました。

2.ご依頼からの状況

2-1 初診日証明の取得サポート

初診の医療機関にてカルテが保管されていたため、初診日の証明書類である受診状況等証明書については、スムーズに取得することが出来ました。

2-2 診断書作成のサポート

医療機関への作成依頼にあたっては、ご家族様よりヒアリングした単身でかつ支援がない状況で生活した場合を想定した日常生活上の活動状況内容を参照資料として作成して診断書に添付し、受診の際にご本人様より主治医にお渡し頂きました。

2-3 申立書の作成

病歴・就労状況等申立書は、面談の際に事前にお送りしたヒアリングシートをお持ち頂き、追加のヒアリングで日常生活に関する詳細なエピソードを伺っていたので、スムーズに作成することができました。

作成にあたっては、診断書のみでは伝わりにくい具体的に日常生活で困っていることを反映させるよう心掛けました。

3.審査結果

障害年金の申請書類提出からおよそ2か月で5年間の遡及を含めて障害基礎年金2級に認定され、年間約78万円の受給につながりました。

広汎性発達障害やADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)などの症状で障害年金の申請を行う場合、家庭内での日常生活はある程度行うことが出来ているケースが多いです。

しかしながら、職場等の外部環境での円滑なコミュニケーションに支障があり、通常の社会生活を送るうえで支障が生じていることが多いため、この点をしっかりと審査の際、みてもらうことが重要です。