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複数の医療機関の受診履歴より、本来の初診日を特定し障害基礎年金2級に認められたケース

統合失調症の障害年金(認定日請求)

1.発病からご依頼までの状況

15年程前から被害妄想や幻覚・幻聴が現れるようになり、10年程前に親族が他界されてからは、独り言が多くなる・不眠に悩まされるなどの症状が出るようになりました。そのため精神科を受診し、その後1年程受診を続けていました。しかし、妊娠が発覚したため通院や服薬を自己判断で中断してしまいました。出産までは症状が出なかったものの出産後には悪化してしまい、そのまま1か月程入院をしました。

初回の無料相談時には、ご家族の方がいらっしゃいました。ご本人は仕事が出来ず休職しているものの、家事などはある程度出来ているため、障害年金を受け取れるほどの症状ではなさそうに感じられたため、面談時の段階では申請の手続きを行いませんでした。

しかしながら、4カ月ほど経った頃に再度ご連絡を頂きました。ご本人の症状が悪化し入院してしまったため、改めてご相談をしたいとのこと。そのため、再度お越しいただきお話を伺いました。相談にお越しいただいた時点では、日常生活もままならない状態であるため、障害年金の申請手続きを進めたいとのご意向があり、手続き代行のご依頼をいただきました。

2.ご依頼からの状況

2-1 初診日証明の取得サポート

初診は15年程前であり、初診の病院(以下、病院A)にはカルテが残っていませんでした。そのため次に診察を受けた病院(病院C)に証明書を作成いただいたところ、病院Aと病院Cの間に、受診をしている別の病院があったことが分かりました(以下、病院B)。病院Bにカルテの有無を問い合わせたところ、カルテが残っているとの回答をいただきました。病院Aからの紹介状はありませんでしたが、病院Aの受診期間や薬の処方について病院Aに直接電話で問い合わせをしており、その内容がカルテに記載されているとのことでした。そのため、病院Aに直接聞いた内容についても(特に初診を含む受診期間について)初診日証明に記載いただくようお願いをしたうえで、証明書の作成依頼をしました。

病院Aについては、診察券や領収書等、受診を証明する資料は何もありませんでしたが、病院Bに作成いただいた証明書に、Aの病院名・受診期間をしっかりと記載していただけたため、無事に初診日の証明が出来ることになりました。

2-2 診断書作成のサポート

ご本人は、初診日の証明を作成している間に退院をされ、退院後は定期的に通院を続けていらっしゃいました。相談にお越しいただいた頃とは状況が変わりましたので、改めて現時点での症状を伺い、診断書依頼の際の参考資料を作成しました。

2-3 申立書の作成

初診から現在に至るまで15年程ありました。転院も繰り返していらっしゃったため、発病の頃から今に至るまでの通院・入院歴や、その時々の症状について、時間をかけて思い出していただきました。診断書が出来上がるまでにも症状が変わっている点はないか、入院中や退院後の日常生活の様子などについても詳しく伺い、申立書を作成しました。

3.審査結果

書類提出から2カ月弱で、お子様の加算も含め障害基礎年金2級の受給が決定し、年間100万円程の受給につながりました。