カルテ破棄による初診日の証明が困難な中、10年近く前の参考資料を添付し初診日証明を行い、障害基礎年金2級に認定されたケース
パーキンソン病の障害年金(事後重症)
1.発病からご依頼までの状況
10年ほど前、両手を前に出して見比べると左手のみが小刻みに震えていることに気付きました。
脳外科や神経内科にて様々な検査を受け、いずれも「異常なし」という結果でしたが、確実に自覚症状があった為、経過観察となりました。
次第に手作業に影響が出るようになり、包丁で野菜の皮をむいたり、フライパンや鍋を持ち上げたりすることなど、今まで普通に出来ていた家事が難しくなりました。
職場でも体の震えや硬直により仕事に支障を来すようになり、退職を余儀なくされました。
セカンドオピニオンを得るため、別の病院を受診した所、病気特有の仮面顔、歩き方等で直ぐにパーキンソン病に間違いないと診断されました。
薬の効いている時間は行動できてもどのタイミングで効くのか、切れるのか予測が出来ず、薬の効く時間が徐々に短くなっていく為、身の回りの事も家族の援助が欠かせなくなりました。
先行きに不安を感じていた所、障害年金の対象になる可能性があると知り、ご家族の勤務先に相談をした所、当センターをご紹介頂き、そのままご依頼となりました。
2.ご依頼からの状況
2-1 初診日証明の取得サポート
最終受診日から5年以上が経過しており、カルテが破棄されていたため、証明書の取得は出来ませんでした。
しかしながら、ご本人様が初診時の領収書を保管されていたため、初診日の参考資料としてコピーを提出し初診日の証明を行いました。
2-2 診断書作成のサポート
パーキンソン病は体の動きに支障を来す病気である為、「肢体の障害用」の診断書を使用します。
パーキンソン病は、薬の効いている状態とそうでない状態(オンオフ現象)がはっきりしているというのが一つの特徴です。医師は普段の「オフ」になっている状態について実際に見ている訳ではないため、ご本人様は実態がきちんと診断書に反映されるかどうか、不安なご様子でした。
そのため、、日常生活の動作等、診察では分かりにくい点を詳しく伺い、その点を診断書に適切に反映して頂けるよう参照資料を作成し、診察の際にご本人様より主治医にお渡し頂きました。
2-3 申立書の作成
発病から現在に至るまでの受診歴や治療経過、日常生活のエピソード等について、ご本人様から頂いた資料や伺ったお話を基に作成しました。
ご本人様に内容をご確認頂きましたところ、新たなエピソードの追加依頼がありましたので、追記し、より詳細な内容の申立書を仕上げることが出来ました。
3.審査結果
書類提出からおよそ1か月半で障害厚生年金2級に認定され、子の加算金も含め、年間約100万円の受給につながりました。
実際の障害年金の申請を行うにあたっては、今回のケースのようにカルテ破棄済みのため、初診日証明書の取得が出来ないということも少なくありません。
その場合は初診日が分かる領収書や診察券等、代わりの参考資料を添付することで申請が可能となりますので、諦めずに初診日証明を出来る方法について専門家と一緒に検討されることをお勧めいたします。