長年勤めた会社を退職後、網膜色素変性症により申請を行い障害厚生年金3級に認定されたケース
網膜色素変性症の障害年金(事後重症)
1.発病からご依頼までの状況
休日にサッカーをしている時、ボールが視界から消えたり、足元が見えにくかったり、度々つまずいたりする等、視野狭窄を自覚するようになりました。
眼科を受診したところ難病の一つである網膜色素変性症と診断され、その後進行を遅らせるための薬を服用しながら日々過ごしていました。しかしながら、症状は次第に進行し仕事にも支障を来すようになったため、約40年間勤めた会社を退職することになりました。
病気を抱えた中突然収入が途絶え、将来への不安が強くなり、何か公的な保障がないか調べたところ、障害年金という制度があることを知りました。
手続きの複雑さを知り、当センターへご相談頂き、そのままご依頼となりました。
2.ご依頼からの状況
2-1 初診日証明の取得サポート
今回のケースでは、初診と現在通院中の医療機関が同一であったため、初診日の証明書類である受診状況等証明書を作成する必要はありませんでした。
2-2 診断書作成のサポート
網膜色素変性症で障害年金の申請を行う場合、八種類ある障害年金専用の診断書中、眼の診断用の診断書を作成する必要があります。
眼の診断書の内容は、大きく分けて視力と視野について記載する欄があり、更に視野の記載欄については、測定方法についての指示があり、ゴールドマン視野計またはこれらに準ずるもので行う必要があります。
ゴールドマン視野計を使用する場合、全体視野と中心視野についてそれぞれⅠ/4の視標、Ⅰ/2の視標を用いて記載する必要があります。さらに中心視野については、上下内外他8方向の視野角度についても正確に記載する必要があり、最終的にはこれらの数値結果が認定される等級にも影響してくるため、些細な記載漏れがないよう細心の注意が必要になってきます。
このように、眼の診断書は等級に直接影響する計測数値が多いため、参照資料を作成し、診断書を作成する際にご本人を通じて主治医の先生に渡していただきました。
2-3 申立書の作成
初回面談時のヒアリング内容に基づき大まかな内容を作成し、追加で実施したお電話でのヒアリングにもご協力頂きながら、丁寧に仕上げていきました。
病歴・就労状況等申立書の作成にあたっては、診断書のみでは伝わりにくい、具体的に日常生活で困っていることを反映させるよう心掛けました。
3.審査結果
障害年金の申請書類一式を提出してからおよそ2か月で、障害厚生年金3級に認定され、年間約58万円の受給につながりました。