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障害認定日に神経症障害で遡及請求を行い、うつ病として事後重症で障害基礎年金に認定されたケース

うつ病の障害年金(認定日請求:20歳前)

1.発病からご依頼までの状況

幼少期から不安感が強く、小学校の高学年頃から登校することが出来なくなってしまいました。体調を崩した際やストレスを感じた際には激しい嘔吐を繰り返し、精神安定剤を点滴しないと嘔吐が止まらなくなってしまうとのことでした。
少しの環境の変化で体調を崩して抑うつ状態が悪化してしまうためご本人は相談に来ることも難しかったため、ご両親が相談にいらっしゃいました。

2.ご依頼からの状況

2-1 初診日証明の取得サポート

初診の病院で障害認定日の診断書を作成していただけたため、改めて初診日の証明書を作成する必要はありませんでした。

今回ように、初診の病院で障害認定日の診断書が作成できる場合、若しくは初診日から継続して同一の病院に現在まで通院している場合にはその診断書で初診日も証明出来るため、改めて初診日証明を取得する必要はありません。

2-2 診断書作成のサポート

通常、多くの医療機関では日々沢山の患者様を診ているので、一人一人の診察時間はどうしても短くなりがちになってしまいます。そのため、ご自身の症状や日常生活についてあまり詳しく聞かれた事がないという声もしばしば耳にします。
限られた診察時間の中では、主治医の先生からの質問に簡単に答える程度で精いっぱいというケースもあり、どの程度主治医の先生がご本人の症状を把握していらっしゃるかは分かりません。

今回のご依頼者様も、障害認定日及び請求日現在の事後重症分とも、主治医の先生にしっかりと現状を伝えられているか不安があるとのことでした。こうした不安を少しでも解消するため、ご家族から伺った症状について詳しく記載した参考資料を作成し、診断書を依頼する際に主治医の先生に渡していただきました。

2-3 申立書の作成

ご相談時に伺った症状や傷病の経緯を記載しました。障害年金の申請上、診断書と同じく重要書類の一つでもある病歴・就労状況等申立書の作成にあたっては、一度に全て仕上げてしまうのではなく、都度、ご依頼者さまにも内容をよく確認していただき、不足している部分や訂正箇所等を書き足していただき、細かく修正を繰り返していきました。

合わせて診断書の記載内容と齟齬がないよう注意しながら申立書を精査し、ご依頼者の納得のいただけるものに完成させました。

3.審査結果

障害年金の申請書類提出後、2か月程で結果の通知がありました。
結果は事後重症分(これから先の分)については障害基礎年金2級が認められ、認定日分(過去の分)については不支給でした。

不支給の理由としては、病名が神経症性障害のカテゴリーであり、障害年金の支給対象になる障害には該当しないため、とのことでした。神経症性障害は、基本的には障害年金の支給対象外の病気になります。しかしながら、精神病の病態を呈している場合など内容によっては認められる場合もあるため、不支給に対して審査請求(1回目の不服申立て)をしました。

しかしながら、結果は棄却となりやはり精神病とは認められませんでした。
ご家族の意向で、過去の分についてはこれ以上国に申立ては行わず、今出ている結果を受入れるとのことで再審査請求(2回目の不服申立て)は行いませんでした。