脳出血による身体麻痺により障害厚生年金3級に認定、等級に不服があったため審査請求を行い、障害厚生年金2級に処分変更されたケース
脳出血の障害年金(認定日請求)
1.発病からご依頼までの状況
初回のご相談には、ご家族の方が相談にいらっしゃいました。
ご本人様は、半年ほど前に脳出血を起こし救急搬送されました。その後リハビリに励みましたが、まだ半身に麻痺が残っていらっしゃるとのこと。
何とか仕事には復帰したものの高次脳機能障害も併発していらっしゃり、仕事の手順を思い出すことも難しい状態でした。加えて、手先が思うように動かず仕事が進まないため、すぐにでも障害年金の申請を行いたいとのご相談でした。
しかしながら、ご相談いただいた時点では初診から6か月しか経過していなかったため、主治医から症状固定の確定診断をもらうことが申請を行う絶対条件になることをご説明しました。
すると、少し前の診察の際、まだリハビリで改善の可能性があると主治医から話があったとのこと。そのため、原則は初診から1年6か月経過してからの申請になること、脳疾患での申請は初診から6か月経過すれば申請可能な特例があるものの、前述の通り、リハビリをしてもこれ以上症状が良くも悪くもならないという症状固定との診断を主治医が下す必要があることをご説明しました。
このような経緯を踏まえ、障害認定日(初診から1年6か月)の頃、もしくは主治医が症状固定との診断をされた際には申請手続きが出来るため、再度ご連絡いただきたい旨をお伝えし、その日の相談は終了しました。
その後、障害認定日の1か月程前にご家族の方から改めてお電話を頂き、今度はご本人様も一緒に来所されたため、症状についても詳しくヒアリングさせて頂きました。
2.ご依頼からの状況
2-1 初診日証明の取得サポート
今回のケースでは、初診からあまり時間も経っていなかったため、初診日の証明書についてはスムーズに取得できました。
2-2 診断書作成のサポート
障害認定日の直後であったため、現在の状態(出来ない事、難しい動作等)について詳しく伺い、それを書面にまとめて参照資料とし、ご本人様を通して主治医の先生に渡して頂きました。
2-3 申立書の作成
診断書だけでは分からない、日常生活で不便を強いられている点について詳しく記載しました。また、自営の仕事を行っているとのことであったため、脳出血後の後遺症により仕事を続けることが難しくなっていることなども具体的に記載しました。
3.審査結果
障害年金の申請書類一式を提出してから2か月程で障害厚生年金3級の年金証書が届きました。しかしながら、障害認定基準と照らし合わせた結果、診断書内容としては2級の障害等級に相当すると思われました。ご依頼人にその旨話をしたところ、障害等級に対して不服があるため、専門手続きの一つである審査請求を行うことになりました。
その後、審査請求関係の書類を提出してから6か月程経過した時に、専門審査を行っている社会保険審査官から処分変更(3級との処分を変更し、2級の等級と認める)を行うとの連絡がありました。
このように、決定された障害等級が妥当なものかどうかは、第三者の目を通してでなければ見極めが難しいものです。こうした点、経験豊富な社会保険労務士に相談を行うのであれば、障害年金の受給の可否だけではなく、障害等級が妥当かどうかについても適切な回答を得られる可能性があるので、まずは相談してみることをお勧めします。