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人工透析療法を伴わない一型糖尿病による症状で障害厚生年金3級に認められたケース

一型糖尿病(人工透析なし)の障害年金(認定日請求)

1.発病からご依頼までの状況

 

一型糖尿病でも障害年金を受給できるのかを聞きたいと、相談にいらっしゃいました。幼少期は何も症状はなく、会社の健康診断でも特に異常はありませんでした。6年程前に疲労感、頻尿、のどの渇きが現れたため病院を受診したところ1型糖尿病との診断を受けました。透析はしていませんがインスリンが枯渇している状態であり、インスリン治療を続けているとのお話でした。

仕事をしているため休みを取りにくく、仕事の後は疲労感が強いため帰宅後はすぐに横になっていらっしゃり、ご自身で手続きを進めることが難しいとのことで、事務代行のご依頼をいただきました。

 

2.ご依頼からの状況

2-1 初診日証明の取得サポート

現在も初診時と同じ病院に通っているため、初診日の証明書については不要でした。

 

2-2 診断書作成のサポート

初診の頃から体調が悪かったとのことでしたので、認定日請求での手続きを進めることとし、病院には障害認定日と現在の症状についての診断書作成を依頼しました。

出来上がった診断書の確認をしたところ、何点か補正が必要な点がありました。現在の症状についても、伺っていた症状と相違があったためご本人に確認をしたところ、近いうちに受診に行くので、症状については直接主治医と話をしていただけるとのことでした。そのため、補正が必要な点については書面に簡潔にまとめ、ご本人から主治医に渡していただきました。

通常、補正が必要な場合でも医療機関によっては時間がかかることが多いなか、こちらの病院では直ぐに対応をしていただき、補正後の診断書を弊所にご郵送いただけました。しかしながら、届いた診断書を精査したところ追加で一点補正が必要な個所がありました。そのため病院に直接連絡をし、郵送にて対応いただきました。

 

2-3 申立書の作成

発症時から現在にかけての症状については相談時に伺っていましたが、仕事中や仕事が終わった後の体の状態については詳しく伺っていませんでした。そのため、ご相談時に伺った症状を書き込んだ申立書をご依頼者にお送りし、書き込んだ内容に相違がないかをチェックいただくと共に、仕事中や仕事後の体調について追記いただきました。追記いただいた申立書を弊所にご返送いただき、そちらを清書致しました。

 

3.審査結果

 

障害認定日時点でも体調は悪く、インスリン分泌が枯渇している状態ではありましたが、その時点では血清Cペプチド値の検査はしていませんでした。人工透析をしていない場合の糖尿病の障害認定基準は、インスリン分泌が枯渇していることに加え、血清Cペプチド値が一定数値未満である必要もあるため、認定日分については、不支給処分となりました。

今回のケースでは、障害年金の申請書類を提出する際、認定日時点で上記の検査をしていなかったため、過去検査をした中で一番古いデータ数値を診断書に記載していただき提出しました。年金機構が審査を進める中で、その点について、それ以前の検査はなかったのか再度確認するよう指示がありました。通常、返戻と言われるこのやり取りに時間がかかったこともあり、審査結果が出るまでに5か月程時間を要しました。

最終的には、認定日以降請求日までの遡及扱い分は不支給となったものの、事後重症分が障害厚生年金3級に認定され、年間約60万円の年金支給につながりました。