慢性腎不全(人工透析)の障害年金-5(事後重症)
発病からご依頼までの状況
ご自身で申請を進めていましたが、何度も年金事務所に足を運んでいるにもかかわらず、なかなか申請手続きが進まず、障害年金の申請をすることに疲れてしまったとのことでした。
慢性腎不全の場合は難しい場合も多い初診日の証明が取れていないことに加え、体調が悪い中、あと何度年金事務所へ足を運ばなくてはいけないのか、自分一人でちゃんと申請できるのか、など障害年金の手続き全般に対して不安を抱えているご様子でした。
ご依頼からの状況
初診日証明の取得サポート
障害年金の申請にあたり、初診日の証明書類をきちんと揃えることは、最も重要な手続きのうちの一つです。特に慢性腎不全の場合に多いのですが、初診日は20年以上前と古く、医療機関へ問い合わせたところカルテはないとの返答でした。
そのため、通常は初診日証明書を作成する必要があるところ作成不可能なため、別の形で初診日の証明を行う必要がありました。
今回のケースでは、ご本人が初診の病院での入院証明書を大切に保管されていたため、通常必要とされる受診状況等証明書でなく、「受診状況等証明書が添付できない申立書」にそちらの資料を添付し初診日の証明を行いました。
診断書作成のサポート
慢性腎不全の場合、初診日から実際に障害年金の申請を行うような身体の状態に至るまでは15年から20年近く経っている場合が多く、初診日当時の主治医と現在かかっている医療機関の主治医が別の方であるケースも多くあります。
今回のケースでは、主治医は初診日をご存じでない可能性が高かったこともあり、上記の入院証明書を診断書作成の際の参考資料として、ご本人よりお渡しして頂きました。また、合併症も発症していたため、そちらの記載もお願いしました。
また、障害年金専用の診断書は記入する項目が多いため、記入漏れのないよう記載が必要な箇所が分かりやすいよう資料を作成し、ご本人より主治医に渡していただきました。
申立書の作成
発病から現在までの期間が長かったため、お電話にてその時々の症状や受診内容について伺いました。また、ご依頼者の意図を的確に反映するため、作成した申立書をよく精査して頂いたうえで追記・訂正等を加え、最終的にご本人が納得していただける申立書を完成させました。
審査結果
障害年金の請求書類一式を提出した後、心配された初診日に関する照会事項が発生する事もなく、2か月ほどで障害厚生年金2級に認定され、年間約120万円の受給につながりました。
慢性腎不全による障害年金の申請を行う場合、何といっても正確に初診日を特定することが一番重要になります。
ご自身で手続きを行っている場合、見つからなかった初診日に関する証拠資料が、外部の専門家に相談する中で見つかるケースも少なくありません。