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心臓の先天性疾患が原因であるが、成人後の受診を初診日とし、人工弁置換により障害厚生年金3級に認定されたケース

大動脈弁閉鎖不全症の障害年金(事後重症)

1.発病からご依頼までの状況

会社の健康診断にて心雑音、心拡大を指摘され医療機関を受診し精密検査を受けた結果、心エコーにて大動脈二尖弁、大動脈弁閉鎖不全と診断されました。

しばらくは経過観察でしたが、数年前に症状が悪化し入院・手術となりました。

大動脈弁置換、人工血管置換の手術を受け無事退院しましたが、重い物を持つことや、激しい運動は禁止される等、日常生活が制限されるようになりました。

何か受けられる保障はないかと調べた所、人工弁置換術を受けていると障害年金を受けられる可能性があると知り、当センターへ来所されました。

そして、「平日は仕事があり、手続きの為に時間を割くことは難しいためお願いしたい」と手続き代行のご依頼を頂きました。

2.ご依頼からの状況

2-1 初診日証明の取得サポート

最初に受診した病院でカルテの保管がされていたため、スムーズに初診日の証明書である受診状況等証明書を取得することができました。

 

2-2 診断書作成のサポート

心疾患で障害年金の申請をする場合、8種類ある障害年金専用の診断書中、「循環器疾患の障害用」の診断書を使用します。

更に診断書は、「心筋疾患」「虚血性心疾患」「大動脈疾患」等疾患ごとに記載する欄が細かく分かれています。

「大動脈弁閉鎖不全」の場合、「大動脈疾患」の欄に記載する必要があり、大動脈弁の手術日等、漏れなく記載されていることが重要となります。

病院へ診断書作成を依頼する際には、重要記載事項や作成時の注意点が分かるよう書面を添付致しました。

 

2-3 申立書の作成

事前にご本人にまとめて頂いていた発病から現在までの病歴を詳細に記載した書類や、初回面談時のヒアリング内容を参考に申立書を作成していきました。

申立書作成にあたっては、診断書では伝わりにくい日常生活における制限事項について、具体的かつ詳細に記載することを心掛けました。

 

3.審査結果

 

障害年金の申請書類一式を提出後、約2か月で障害厚生年金3級に認定され、年間688,515円の受給につながりました。

大動脈弁閉鎖不全により人工弁置換の手術を受けた場合、原則は障害年金の3級に該当します。

ただし、「先天性二尖弁」等、先天性疾患が原因で発病しており、20歳前に受診をしている場合、初診日が20歳前で国民年金となる為、症状が2級以上に該当しないと障害年金を受けとることができません。

障害年金の等級は、初診日にどの年金制度に加入していたかが大きく影響するため、先天性疾患がある場合は特に注意が必要です。

今回のケースも「先天性二尖弁」が原因ではありましたが、長い間自覚症状はなく数年前に会社の健康診断にて判明し、初めての受診に至ったというものでした。

申立書にて20歳前の受診がないことを的確に主張し、日本年金機構の審査部から照会が入ることもなく、スムーズに認定されました。