精神遅滞で障害基礎年金2級に認定され、年間約80万円の受給が決定したケース
傷病名:精神発達遅滞
決定した年金の種類と等級:障害基礎年金2級
年間受給額:約80万円
請求の種類:事後重症請求
受給決定までの期間:約1か月
1.相談時の状況
相談者は幼少期より言葉の発達や集団行動に遅れがみられ、小学校入学後も勉強や対人関係に大きな困難を抱えていました。中学校ではいじめにあいながらも何とか卒業し、その後は養護学校高等部を経て、自動車部品製造などの仕事に就いていました。
しかし、長年の就労の中で心身の不調を繰り返し、特に職場での怪我や体調不良がきっかけとなって退職。その後は就労支援施設の利用も困難となり、自宅にこもりがちとなっていました。
精神的な不調はあるものの、これまで精神科の受診歴が一度もなく、本人も障害年金の存在を知りませんでした。支援機関の紹介により、当事務所へ障害年金の申請について相談されました。
2.相談から請求までのサポート
相談者は精神科の通院歴がないことが最大の課題でした。そのため、まずは初診の取得に向けて、信頼できる医療機関を探すところから支援を開始しました。支援員の方と連携し、医療機関への予約、通院の同行、受診時の情報共有など、初診取得のための環境整備を行いました。
診断書の作成にあたっては、これまでの発達歴や就労歴、日常生活の状況を丁寧に整理し、医師に正確に伝えることで、実態に即した診断内容としてもらうよう配慮しました。また、「病歴・就労状況等申立書」には幼少期から現在に至るまでの具体的な困難と支援の必要性を記載し、審査において判断しやすい資料となるよう工夫しました。
3.審査結果
申請から約1か月半という比較的短期間で、障害基礎年金2級が認定され、年間約80万円の受給が決定しました。これにより、相談者は経済的な支えを得るとともに、福祉サービスの利用など社会的なサポートにもつながる第一歩を踏み出すことができました。現在は両親とともに生活しながら、支援者と連携して日常生活の安定を図っておられます。


