脳腫瘍の障害年金-2(事後重症)
発病からご依頼までの状況
2年ほど前から右耳の聞こえが悪くなり、耳鼻科を受診したところ大学病院を紹介されました。検査の結果脳腫瘍との診断を受け、手術を施行。腫瘍は摘出されましたが、術後はめまい・頭痛がひどく、バランスを崩し転倒することもあるとのこと。また、右耳の聴力がほぼなくなってしまったとのことでした。
上記症状により仕事も出来なくなり、日常生活に大きな支障をきたしているため、障害年金を受給出来ないかとご相談にいらっしゃいました。
ご依頼からの状況
保険料納付記録の精査サポート
来所当時、ねんきん定期便を持ってきたため、スムーズにすすめることができました。
初診日証明の取得サポート
現在も定期的に通院しているためスムーズに取得出来ました。
診断書作成のサポート
障害年金専用の診断書の作成にあたり、耳の聞こえが悪いとのことでしたので、当初は聴力障害用の診断書を作成していただく方向で手続きを進めることにしました。しかしながら、現在通院している医療機関では聴力検査の設備がないため、聴力の診断書は作成できないと回答されてしまいました。
ご本人に以前の受診状況や主治医の先生について等を改めて伺ったところ、現在の主治医が別の大学病院でも診察を行っており、以前、その大学病院で受診していたとのこと。そこで、ご本人を通じ受診歴のあったそちらの大学病院で診断書の作成が出来ないか相談をしていただきました。大学病院から検査可能との回答をいただけたため、最終的には大学病院で診断書を作成していただくことなりました。
ところが、出来上がった診断書を確認したところ、聴力の数値のみでは、認定基準に該当しない可能性が高いことが判明。併記されていた平衡機能障害の欄も記載いただいていましたが、現状の詳しい点までは記入されていなかったため、こちらに現在の症状を詳しく追記いただき、平衡機能の障害での受給を目指しました。
申立書の作成
初回の相談時に詳しく症状を伺っていましたので、そちらの内容を元に申立書を作成し、改めてご本人様にも確認していただいたところ、更に詳しい症状や経緯をお聞かせいただいたので、その内容を追加し、診断書との整合性にも注意しながら的確な申立書を完成させました。
審査結果
書類提出から3ヶ月程で障害厚生年金3級に認定され、年間約65万円の受給が決定しました。
通常、障害年金の手続きは、身体機能が損なわれている部位に応じた診断書を使用し手続きを進めていきます。
今回の件では、聴覚障害での障害年金受給を検討していたのですが、認定基準を満たしていない可能性があったため、途中から平衡機能障害での受給を目指すよう方向修正を行いました。
障害年金の申請は今回のように、請求される方ご自身が考えている傷病による申請では難しいケースもあります。このような場合も想定し、障害年金の手続きを進める際には早い段階から専門家にご相談されることをお勧めいたします。