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自閉スペクトラム症で障害基礎年金2級に認定、年間約83万円を受給できたケース|不支給後の再請求

傷病名:ASD
決定した年金の種類と等級:障害基礎年金2級
年間受給額:約83万円
請求の種類:事後重症請求(再請求)
受給決定までの期間:約2か月

自閉スペクトラム症は、対人関係や環境適応の困難さにより、日常生活や就労に大きな影響を及ぼすことがあります。そのため、症状の程度や生活状況によっては障害年金の対象となる可能性があります。

しかし、障害年金の申請では、日常生活の支障や就労の困難さが十分に伝わらなければ、不支給となってしまうケースも少なくありません。特に精神・発達障害の場合、客観的に状態を伝えることが難しく、実態との乖離が生じやすい傾向があります。

一方で、不支給となった場合でも、内容を見直し適切に再請求を行うことで、認定に至る可能性は十分にあります。

ここでは、自閉スペクトラム症により一度は不支給となったものの、再請求によって障害基礎年金2級が認定された事例をご紹介します。

1.相談時の状況

相談者は幼少期から対人関係の困難や環境変化への適応の難しさを抱えており、学生時代を通して集団生活に強いストレスを感じていました。進学後は不安や抑うつ状態が悪化し、通院を開始。その後も症状は安定せず、就労に挑戦するも長期間継続することができず、無職の状態となっていました。

日常生活においても、対人不安や体調不良により外出や社会参加が困難であり、家族によるこまめな声掛けや生活支援など、全面的なサポートが必要な状況でした。

過去に一度、ご家族が障害年金の申請を行っていましたが、日常生活や就労状況に関する照会が入ったものの、実態が十分に伝わらず不支給という結果となっていました。「一度不支給になったため、もう受給は難しいのではないか」と不安を抱えた中で、再請求についてのご相談をいただきました。

2.相談から請求までのサポート

本ケースで最も重要だったのは、「不支給=受給できない」ではないという点を踏まえ、再請求に向けた適切な対応を行うことでした。

まず、前回の申請内容と不支給となった要因を丁寧に分析しました。その結果、日常生活能力の制限や就労困難性について、具体性や一貫性が不足していた可能性が考えられました。

そこで、相談者ご本人およびご家族から改めて詳細なヒアリングを実施し、実際の生活状況を正確に把握しました。

特に重視したポイントは以下のとおりです。

・日常生活における具体的な困難(外出困難、対人不安、体調管理の難しさ)
・家族による支援の実態(声掛け、生活管理の補助など)
・就労が継続できなかった理由と経過
・環境変化による症状の悪化状況

これらをもとに、病歴・就労状況等申立書を実態に即した形で再構成しました。また、診断書についても、日常生活能力の制限や社会適応の困難さがより具体的に反映されるよう医師への情報提供を行いました。

再請求では、「前回と同じ内容ではなく、いかに実態を正確に伝えるか」が極めて重要です。本ケースでも、書類全体の整合性と具体性を高めたことが大きなポイントとなりました。

3.審査結果

再請求の結果、申請から約2か月で自閉スペクトラム症による障害基礎年金2級が認定され、年間約83万円の受給が決定しました。

一度は不支給となっていたケースでも、実際の生活状況や支援の必要性を丁寧に整理し、適切に再請求を行うことで認定に至る可能性があることを示す事例となりました。

受給決定により、相談者は経済的な不安が軽減され、家族の支援を受けながら安定した生活基盤を整えることができています。現在は体調を優先しながら、今後の生活について無理のない範囲で検討を進めています。