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急性大動脈解離による人工血管挿入と術後の諸症状により障害厚生年金を請求し認められたケース

大動脈解離の障害年金(認定日請求)

1.発病からご依頼までの状況

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夕食を準備中、突然左背部に裂けるような痛みが走り急いで夜間診療所を受診。診断の結果、大動脈解離の疑いがあるため病院を紹介され、そのまま入院・手術となりました。

人工血管挿入の手術を受け無事退院しましたが、疲れ易さ、咳や痰等の症状が続き、以前より勤務時間を短縮せざるをえない体の状態となりました。

勤務時間短縮にともなう収入減に対し、国や自治体から受けられる保障は何かないかと調べた所、障害年金を受けられる可能性があると分かり、当センターへ来所されました。

「平日は仕事があり、手続きの為に時間を割くことは難しいためお願いしたい」と手続き代行のご依頼を頂きました。

2.ご依頼からの状況

2-1 初診日証明の取得サポート

最初に受診した病院でカルテの保管がされていた為、スムーズに初診日の証明書を取得することができました。

 

2-2 診断書作成のサポート

面談の際には現在の症状について丁寧なヒアリングを行い、その内容や作成時の注意点について記載した書面を診断書に添付の上、ご本人様を通じて病院へ診断書の作成を依頼しました。

また、作成をお願いした病院では、しばらく受診をしていなかったため、咳や痰等の細かな症状についても漏れなく適切に記載して頂けるよう、かかりつけ医で処方されている薬の処方箋(写し)も添付しました。

2-3 申立書の作成

発病から現在までの病歴を詳細に記載した書類や、面談時のヒアリング内容を参考に作成しました。

申立書作成にあたっては、診断書との整合性に注意しながら、誇張することなく事実関係の整理を時系列で的確に行い完成させました。

 

3.審査結果

提出から約2か月で障害厚生年金3級に認定され、年間584,500円の受給につながりました。

「大動脈解離」で申請する場合、8種類ある障害年金専用の診断書中、「循環器疾患の障害用」の診断書を使用します。

心臓疾患、肺疾患、腎臓疾患等いわゆる内部疾患といわれる疾患用の診断書の中には、その障害状態によって日常生活や就労がどの程度制限を受けているかを判断するため、アからオまでの5段階評価からなる「一般状態区分表」というものが設けられています。

一般的に大動脈解離により人工血管挿入の手術を受けた場合は、障害年金の3級に認定される場合が多いのですが、このような場合でも、一般状態区分表中「無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの」に該当すると、認定されることが難しくなります。

今回のケースでは、面談の際ご本人様より「咳や痰」「息切れ」等の症状を伺っておりましたので、それらの症状をしっかりと診断書に記載してもらう必要がありました。

心臓疾患治療のため、体内に人工血管やステントグラフト、人工弁などの人工物が入っていると、少なくとも障害厚生年金3級には該当するというイメージがありますが、人工血管の場合は上記の通り、実際の細かな症状についても抜かりなく記載してもらうことが重要だと言えます。