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双極性障害で社会的治癒が認められ、障害厚生年金2級に認定|再審査請求により初回入金約400万円となったケース

傷病名:双極性障害
決定した年金の種類と等級:認定日 障害厚生年金3級 現症日 障害厚生年金2級(職権改定) 
年間受給額:約100万円 初回受給額:400万円
請求の種類:遡及請求
受給決定までの期間:約1年5か月

過去に精神科の受診歴がある場合、「現在の病気は以前から続いている」と判断され、障害年金の初診日が争点となることがあります。特に、一定期間症状が安定し就労できていたケースでは、「社会的治癒」が認められるかどうかによって、受給できる年金の種類や金額が大きく変わります。

今回ご紹介するのは、双極性障害により就労や日常生活に大きな支障を抱えていた30代の方の事例です。初回請求では社会的治癒が認められず却下処分となりましたが、再審査請求により処分変更となり、厚生年金加入中の初診日が認められました。その結果、認定日障害厚生年金3級、さらに職権改定により障害厚生年金2級に認定され、初回入金額約400万円、年間約100万円の受給につながりました。

1.相談時の状況

相談者は若い頃に精神科への通院歴がありましたが、その後は一定期間にわたり症状が落ち着き、受診することなく就労を継続されていました。

しかし数年前から、職場でのストレスを契機に不眠や強い不安感、抑うつ状態、緊張感が再び現れるようになり、徐々に症状が悪化。転職や休職を繰り返しながら就労を続けていたものの、業務上の対人関係にも支障をきたすようになりました。

さらに症状の進行に伴い、家事全般を一人で行うことが難しくなり、身の回りのことにも家族の援助が必要な状態となっていました。他人とのコミュニケーションに強い苦痛を感じるようになり、日常生活にも大きな制限が生じていました。

障害年金の請求にあたっては、過去の受診歴があることから、「どの時点を初診日として認定するのか」が最大の争点となりました。

2.相談から請求までのサポート

本件では、「社会的治癒」が成立しているかどうかが受給可否を左右する重要なポイントでした。

社会的治癒とは、過去に治療歴があっても、その後長期間にわたり症状が安定し、治療を必要とせず社会生活を送れていた場合には、その後の再発時点を新たな初診日として取り扱う考え方です。

当事務所では、過去の受診状況や就労状況を丁寧に整理し、症状が安定していた期間の状況について詳細な聞き取りを行いました。

また、初診日の証明資料については、カルテが残っていない状況であったため、電子薬歴などの客観的資料を収集し、当時の受診状況を立証。さらに、長期間にわたり就労を継続していた事実や、受診を要しない状態であったことを病歴・就労状況等申立書へ具体的に反映しました。

しかし、初回の障害年金請求では社会的治癒が認められず、請求は却下処分となりました。

そこで、却下理由を精査したうえで再審査請求を実施。過去の病歴、受診状況、就労実績、日常生活の状況を改めて整理し、社会的治癒が成立していることを裏付ける資料とともに主張を行いました。

その結果、当初から主張していた厚生年金加入中の初診日が認められ、処分変更に至りました。

3.審査結果

再審査請求の結果、社会的治癒が認められ、厚生年金加入中の受診日が正式な初診日として認定されました。

これにより、認定日時点については障害厚生年金3級が認められ、さらに病状悪化に伴う職権改定によって障害厚生年金2級へ変更となりました。

また、遡及請求が認められたことで、初回入金額は約400万円となり、現在は年間約100万円の障害年金を受給されています。

初回の裁定請求から最終的な認定までは約1年5か月を要しましたが、適切な資料収集と再審査請求による主張によって、本来受けられるべき障害年金につながった事例となりました。


双極性障害で障害年金を検討されている方へ

双極性障害では、症状の波により就労継続が困難となったり、日常生活に大きな支障が生じたりすることがあります。また、過去に精神科の受診歴がある場合には、本件のように「社会的治癒」や「初診日の認定」が重要な争点となるケースも少なくありません。

特に、

  • 過去に通院歴がある
  • 一度症状が落ち着いていた期間がある
  • 初診日の証明資料が残っていない
  • 一度却下や不支給となった

といった場合でも、再度資料を整理することで認定につながる可能性があります。

障害年金の請求でお悩みの方は、一人で判断せず、早めに専門家へご相談ください。。