労務相談情報
最低賃金が変更になります!
平成23年度の地域別最低賃金が改定されます。まだ、全都道府県出揃っていませんが、一部
公示が始まっています。
栃木県の場合、平成22年度の697円から3円アップし、平成23年10月1日からちょうど700円
になります。
⇒ 詳細はこちら;厚生労働省HP
最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低
賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。
仮に、使用者と労働者合意のうえで最低賃金以下の労働契約をしたとしても、法律上は無効と
され最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。(最低賃金法第4条)
要するに、お互いに同意しているからいいじゃないかという理屈は通用しない、ということです。
違反者には罰則(50万円以下の罰金)もありますので、注意が必要です。(最低賃金法第40条)
最低賃金に違反している企業があるのか?と疑問に思われる人がほとんどだと思いますが、
例えば、①恒常的に長時間労働の企業、②低額かつ定額月給制で昇給をしばらくしていない、
または所定労働時間が増えた企業、などは注意していないと最低賃金を下回ってしまうケース
もありえます。
最低賃金は時間額で定められているので(最低賃金法第3条)、賃金が時給制であれば一目で
わかりますが、日給制、月給制の場合は、所定労働時間で割って判定します。
月給制で基本給があまり高くなく、労働時間が長い場合にはきちんと計算してみることをお勧め
します。
労働条件の通知
使用者は、労働者と労働契約をする際、労働条件の一定事項について明示をしなくては
いけません。具体的には、労働条件通知書など書面による交付が義務づけられています。
(労働基準法第15条、同規則第5条)
また、この交付義務違反については、罰則もあるので、たかが書類の交付ぐらいと軽くみて
はいけません。(労働基準法第120条)
実際に労務相談をしていると、書面により労働条件の通知をしていない会社が結構見受け
られます。
前述のとおり通知をしていないこと自体、法律違反になるわけですが、労使トラブルの原因
の一つに労働条件に関する見解の相違があります。給料が最初に聞いていた額と違う、
後になって残業代が込と言われた、休みがない等々。
小規模な会社の場合、なぁなぁな雰囲気できちんと労働条件をお互いに確認する作業を怠り
がちですが、労使関係は常に良好な状態が続くとは限りません。法令遵守という観点だけで
なく、円滑な労使関係を築く第一歩として、労働条件は書面による通知・交付を行いましょう。
余談になりますが、助成金の申請をする際には労働条件通知書の添付が必要になる
ケースが多くあります。
普段から労働条件の書面交付を徹底する等きちんとした労務管理をしていないと、いざ助成
金を利用しようとする際にも不都合が生じますので、この点も注意が必要です。
労働基準監督署調査-調査の対象
労働基準監督署による調査が行われた場合、実際にどのようなことになるのか不安に思われる経営者の方も大勢いらっしゃると思います。では、一体どういう場合に調査が行われるのでしょうか?
調査自体は大まかに分けると、一定の労働基準行政計画に基づき定期的に行われる場合と、大きな労災事故があったり、労働者からの申告があったりする場合に行われる場合があります。
前者の場合、特に会社で問題が発生していなくても調査の対象になる可能性があり、調査の結果労働基準法等に違反する事項があったり、違反はしていなくても改善したほうが望ましい点があったりする場合には行政指導が行われます。後者の場合も同様、違反事項や改善事項があれば行政指導が行われるわけですが、前者と決定的に違うのは、会社に潜んでいた労務管理上の問題点が表面化した結果行われるという点です。
大きな労災事故が発生するということは、機械等の使用方法や作業上の危険予知に関する教育訓練、従業員の健康管理といった安全管理対策に不備、不十分があるということが原因であり、また、労働者からの申告があるということは、労働条件等に関する違反や違反までいかなくともそれに近い状態が放置されていたことに原因があるわけです。
いずれの場合にせよ、労働基準監督署の調査を、労務管理上の問題点解消のための機会の一つと考えれば、必要以上に不安を感じることはないと思います。
労働基準監督署調査-調査の種類
労働基準監督署の調査というと、税務署の調査ほどその内容が知れ渡っていないこともあり、あまり馴染みのない経営者の方が多いようです。
税務署の調査のように調査後に税金を払ったりするケースがある訳ではなく、大したことはないだろうと考えている経営者の方も多いようですが、甘くみていると刑事上の書類送検はもとより、逮捕・身柄拘束、送検にまで至るケースもあるので注意が必要です。
労働基準監督署による調査(一般的には立入調査とか臨検とか呼ばれています。)の種類は主に次のようなものがあります。
■ 定期監督
労働基準行政の年度計画方針に基づき、その年ごとの行政課題に合った業種等を選定し定期的に行われます。
■ 災害時監督
労働災害があった場合、事業主から提出された労働者死傷病報告書等をもとに行われます。なお、労働災害が起きた場合、必ず実施されるとは限りません。
■ 申告監督
労働基準法第104条第1項、労働安全衛生法第97条第1項等に基づく、労働者の申告があった場合に行われます。
■ 再監督
上記の各種臨検監督後、指摘事項や法律違反の改善状況を確認するために行われます。

栃木県での労使トラブル
厳しい経営環境と個人の権利意識の拡大、更にインターネットの普及による情報化社会の進展が加わり、近年中小企業での個別労働紛争や労働条件全般に関する相談件数が年々増加しています。
栃木労働局発表の資料によると、栃木県内において平成20年度の総合労働相談件数は13,500件と前年比26.8%の増加、民事上の個別労働紛争相談件数は2,823件で前年比44.3%も増加しています。
労働関係の紛争というと東京、名古屋、大阪などの大都市圏が中心だと考えがちですが、栃木県でもこれほど多くの件数があるということを、栃木県内の経営者の方はきちんと認識していかなければならないといえます。
たとえば、次のようなことについて、特に問題意識を持っていない経営者の方は、労使紛争の予備軍に該当しているので注意が必要です。
・残業代の計算方法
・有給休暇の未消化
・労働条件の変更手続き
・適切な解雇手続き
こうした問題は、もはや会社の規模が小さいから無関係だとは言えない状況になってきています。
一度、自社の労務管理の状況について、真剣に向きあい検証をしてみてください。

労使トラブルは起きたときに対処する?
『従業員の人数も少ないし、うちの会社は労使トラブルなんて関係ない、それにそんなの起きたときに対処すればいい』 とお考えの経営者の方は沢山いらっしゃるかと思います。
では、実際のところはどうなのでしょうか?
残念ながら、私どもの経験からお話させていただきますと、本来強い信頼関係で結ばれているはずの小規模家族経営的な会社ですら、労働基準監督署などに駆け込まれ大規模なトラブルに発展したというケースが見受けられます。
こうしたケースを検証してみると気づかされるのですが、トラブルの原因は本当にどこの会社にでもあるありふれたことが原因となっています。
逆にいうとありふれた日常の小さな出来事が積み重なった結果、労使トラブルに至っているため、労使トラブルが発生したときに特効薬的な対処を行うことは、たいへん難しいケースが多いといえます。
労使トラブルが起きた時に対処すればいいという取り組みでは、結果的に発生した労使トラブルの当面の対処を行うと同時に、根本的な原因を解決しなければ再度同様のトラブルが続けて発生する可能性もあるため、経営者としては大変なリスクを背負うことになりかねません。

労使トラブルは事前に予防するもの!
企業経営にとって、労使トラブルというのは起きてから対処する問題ではなく、事前に予防するものです。
人間の体と同じで、病気になってからお医者さんの世話になるのではなく、普段から病気やケガをしにくい体力づくりをした方が結果的にはメリットがあるのと一緒だといえます。
以下のチェック表を利用して、潜在的な労使トラブルのリスク診断をしてみてください。該当項目が多い会社は、たとえ今は問題がなくても注意が必要です。
□1.入社時の労働条件を口頭でしか伝えていない
□2.給料、勤務条件など労働条件の変更が頻繁にある
□3.労働条件は経営者が全て自由に決定できると思っている
□4.有給休暇の管理表を作っていない
□5.有給休暇を取っていない人が多い
□6.パートには有給休暇がないと思っている
□7.有給休暇の手続きが整備されていない
□8.労働時間の把握が適切にされていない
□9.残業代の計算方法が曖昧である
□10.残業時間が多い
□11.基本給以外の諸手当の数が多い
□12.給料から税金、社会保険料以外のものを控除している
□13.社内規則や就業規則がない
□14.最近3年以内で社内規則や就業規則の見直しをしていない
□15.解雇は自由にできると思っている
□16.退職時に自筆の退職願を提出させていない
□17.パートタイマーは雇用保険に加入しなくてよいと思っている























